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小 石 川 橋 (こいしかわ ばし)

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koishikawa bridge

  小石川橋は、千代田区飯田橋3丁目と文京区後楽1丁目との間で、千代田区道を渡す橋である。

  江戸の頃、ここに江戸城内郭と市街地を結ぶ城郭門として小石川御門が置かれ、小石川門橋と呼ばれる廓門橋が架けられていた。その創架は、寛永16年(1639年)と伝えられている。

  この橋の左岸側にある小石川後楽園は、水戸徳川家の藩邸内の庭園である。寛永6年(1629年)、水戸徳川家の祖・徳川頼房は、3代将軍家光より下屋敷としてここを賜り、明暦の大火後(明暦3年 1657年)に上屋敷としている。小石川御門は、水戸藩邸の正門に相対して位置し、江戸の鬼門を牽制する拠点として重要な意味を持つものとされている。

  後楽園は、2代藩主・光圀の頃より、本格的な造園が行われた。その名は、中国宗の「岳陽楼記」の中の句「士当先天下之憂而憂、後天下之楽而楽」にちなむものである。庭内には、大日本史の編纂が行われた彰考館跡がある。

  明治7年(1874年)、郭門の撤去に伴い新たに木橋を架設し、明治28年(1895年)にこれを修理するなどの記録が残されている。

  現在の橋は、震災復興事業による復興橋梁である。架橋地点が日本橋川の分岐点に位置するため、船舶の安全・円滑な通行を考慮して1径間の下路式鋼鈑桁橋としている。小規模な橋梁であり、明治から大正へと架設地点の地理的重要性が低下したことがわかる。
  • 橋梁形式   下路式鋼鈑桁橋
  • 橋  長   29.70m
  • 幅  員   10.90m
  • 架設年次   昭和2年12月
  • 建設機関   東京市
  • 管理機関   千代田区
  • 最 寄 駅   JR水道橋