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俎   橋 (まないた ばし)

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manaita bridge

  俎橋は、千代田区九段北1丁目と神田神保町3丁目との間で、都道302号線(靖国通り)を渡す橋である。

  江戸の頃、二枚の板を並べた簡素な板橋があり、これが橋名の由来といわれている。その創架については明らかでない。旧橋は、昭和4年6月、震災復興事業により架けられた橋長24.9m・幅員42mの鉄筋コンクリートアーチ橋であった。現在の橋は、都営地下鉄新宿線の建設に伴いこれを架替えたものである。

  地下鉄は、日本橋川の直下に計画され、施工法として凍結工法が採用された。この工法では、川底の凍結・融解による地盤変形が生じるところから、橋本体への影響が予測され架替ることになったものである。当初は、アーチなどの主要構造部は撤去するが、旧橋の橋台は残して、新しい橋で再使用する計画であった。しかし、想定以上の地盤変形のため旧橋台が破壊し、結局これも撤去することとなった。

  地下鉄工事に際して、この橋への影響を回避する検討はなされなかった。現在の橋に、旧橋のイメージは残されていない。

  この橋は、旧橋(堀留橋と同形式の鉄筋コンクリートアーチ橋)の持っていた圧倒的に安定感のあるイメージを失い、緊張感をもたらしている。
  • 橋梁形式   単純鋼鈑桁橋
  • 橋  長   30.80m
  • 幅  員   42.00m
  • 架設年次   昭和58年11月
  • 建設機関   東京都
  • 管理機関   東京都
  • 最 寄 駅   地下鉄東西線/半蔵門線/新宿線九段下駅