ver.040703

西 河 岸 橋 (にしがし ばし)

/Photo Galleryへ/

nishigashi bridge

  西河岸橋は、中央区日本橋1丁目と日本橋本石町1丁目との間で、中央区道を渡す橋である。

  この橋の創架は、明治24年(1891年)5月に架けられた、長28間4尺・幅6間1尺のボーストリングトラスである。橋名は、橋の左岸側を北河岸、右岸側を西河岸とよんでいたことによる。

 現在の橋は、震災復興事業による復興橋梁である。架設当初の写真を見ると、親柱、橋灯、高欄など当時の最新のデザイン様式あるアールデコ様式による格調高い美しい橋であった。建設にあたった東京市橋梁陣の意欲的な取組みが感じられる。クラッシクとモダン、石と鋼、重厚さと繊細さ・・・、すぐ下流に架かる日本橋を多分に意識したデザインである。架橋当初に話題となり、文献−702「世界橋梁写真設計図説」(鷹部屋福平 昭和6年3月)では、「東京における主な橋梁」として隅田川の復興橋梁とともに紹介されている。

  橋梁形式は3径間連続鋼鈑桁橋であるが、中桁の橋脚部分はL型鋼によるトラス構造である。経済性を追求した結果とも見えるが、東京市橋梁陣による復興局の橋梁設計方針への何ものかのメッセージが込められているように思える。

   橋脚をみると、復興橋梁の下部工装飾方針とは異なるレンガ張りとなっているので、明治24年の旧橋橋脚を再使用したものと思われる。(この項、「復興橋梁資料室」「帝都復興事業誌」「第六目意匠及び照明」参照)

  現在、親柱、高欄、歩道舗装、橋詰広場などよく整備されているが、架設当初のデザインは生かされていない。しかし、クリーム色の明るい色彩が印象的で、高架下の閉ざされた空間に、ほっとさせる雰囲気を造りだしている。
  • 橋梁形式   3径間連続鋼鈑桁橋
  • 橋  長   52.00m
  • 幅  員   11.00m
  • 架設年次   大正14年8月
  • 建設機関   東京市
  • 管理機関   中央区
  • 最 寄 駅   地下鉄東西線日本橋駅           半蔵門線三越前駅