ver.001202
錦 橋 (にしき ばし)
/Photo Galleryへ/
錦橋は、千代田区大手町1丁目と神田錦町3丁目との間で、千代田区道を渡す橋である。
この橋の創架は昭和2年、震災復興事業により架けられたものである。橋名は、錦町と錦河岸に由来する。錦町の名は、幕末のころ、付近に一色(いっしき)姓を称する旗本がニ家あり、二色(にしき)を錦で表したという。
3連の鉄筋コンクリートアーチであるが、スパンドレルがオープンなのは、川筋でこの橋だけである。特に、側径間のアーチリングが二分の一という、都内ではまれな構造形式をとっている。床版と支壁とアーチリングとの関係など、橋の構造が明快に表現されている。施工に際して、相当な苦労があったものと思われる。
神田錦町と大手町の官庁街を結ぶ位置にあるため、歩行者も比較的多いのだが、これに見合った維持管理がなされていない。堂々たるアーチ橋の全体が、荒れるにまかされている。
こうした激しい中性化の進行状況は、錦橋や鎌倉橋、新三崎橋など、打ちっぱなしのコンクリート橋グループに共通している。他方、同じ時期に架けられた常盤橋や堀留橋など、コンクリート表面に石を張っているグループでは、恐らくこれほどの劣化はないものと思われる。石張りによる初期投資が高くついても、長期的に見れば、単なる装飾効果以上の構造的、経済的効果をもたらしている。
- 橋梁形式 鉄筋コンクリートアーチ橋
- 橋 長 33.00m
- 幅 員 34.00m
- 架設年次 昭和2年5月
- 建設機関 東京市
- 管理機関 千代田区
- 最 寄 駅 地下鉄東西線竹橋駅
|