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新 常 盤 橋 (しん ときわ ばし)
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新常盤橋は、千代田区大手町2丁目と中央区日本橋本石町2丁目との間で、都道407号線(江戸通り)を渡す橋である。
この橋の創架は大正9年4月、路面電車の開通に合わせて架けられた、3連の無筋コンクリートアーチ橋である。第1次世界大戦の影響で鋼材が高騰したため、無筋にせざるを得なかったという(*1)。関東大地震により、コンクリートの施工目地にクラックが発生するなどの損傷を受けた(*2)。
昭和4年2月、震災復興事業により、この橋を拡幅した。
拡幅に際して、復興局の橋梁技術者は、古い建築物を保存するのに外観を残す「ファサード保存」という手法を取った。旧橋のコンクリート面の石材を丁寧にはがして、拡幅した新しいコンクリート面に再使用したのである。
現在の橋は、東北新幹線を東京駅まで延伸するのに伴い、新幹線と平面的に重複するため架替えたものである。その際、旧橋の現地保存・再生などの検討はなされなかった。わずかに、親柱の一部と丸い穴のある特徴的な高欄の一部が、橋詰広場に残されている。
この橋は、旧橋が持っていた圧倒的に安定感のあるイメージを失い、緊張感をもたらしている。
(*1)大正12年関東大地震震害調査報告 昭和2年12月 土木学会 P−5
(*2)同上文献 P−11
「新常盤橋は、橋長16.3間・幅員10間、3径間のコンクリート橋である。橋梁中心は北東方向で、斜角1度30分である。中央径間30尺、拱矢9.8尺、両側径間27尺、拱矢9.33尺であり、橋脚の幅は各5尺である。(以上は橋梁中心寸法)
拱肋は1:3:6のコンクリート、拱肋厚は拱座で2.3尺、拱頂で1.6尺である。
拱背は割栗石コンクリートで充填、両側面は花崗石及び化粧煉瓦仕上である。
拱肋の亀裂は、中央径間では拱頂に近く1箇所、東側側径間は拱頂に近く1箇所(橋脚側)、西側側径間は拱頂対称に2箇所及び橋脚側拱座より全径間の約1/5付近に1箇所の計3箇所である。これらの亀裂の幅は0.2分乃至2分でいずれもコンクリートの施工目地に一致していた。 亀裂の深さの測定は困難であるが、西側の亀裂のうち橋台側のものは、その表面化粧煉瓦の目地の亀裂も蛇腹石近くに達しているが、その他のものについては拱肋石の下部のみに止まっているところから、コンクリートの亀裂も拱肋の下方に止まっているものと想像される。亀裂のうち最も大きな中央径間について探ったところ、最大1.2尺まで測定することができた。
(中略)
橋台、橋脚、橋面、翼壁などに沈下、移動の跡は認められなかった。」
- 橋梁形式 単純鋼床版箱桁橋
- 橋 長 39.35m
- 幅 員 27.00m
- 架設年次 昭和63年3月
- 建設機関 東京都
- 管理機関 東京都
- 最 寄 駅 JR東京駅、神田駅/総武本線新日本橋駅
地下鉄半蔵門線三越前駅
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