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高 橋 (たか ばし)
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高橋は、中央区八丁堀3丁目と新川2丁目との間で、中央区道を渡す橋である。
この橋の創架は、正保年代(1644〜1647年)の頃とされている。亀島川の河口近く、船舶の出入が頻繁であったため、橋台の高い橋を架けたのが橋名の由来である。天保13年(1842年)の記録では、長26間・幅3間であった。
明治15年(1882年)10月、ウイップルトラス橋に改架された。また、大正8年(1919年)、鉄筋コンクリートアーチ橋に改架され、関東大地震を良く耐えて昭和を迎えている。このアーチ橋は、大正14年(1925年)4月、震災復興事業により「ファーサード保存」の手法を用いて拡幅された。
現在の橋は、旧橋のアーチ橋が老朽化したため架替えたものである。親柱、橋灯、高欄、歩道舗装など、多くのデザイン上の工夫がなされ効果をあげている。しかし、橋本体に違和感を感じてならない。
この橋は、旧橋が3−スパンで渡った川幅を、楽々と1−スパンで渡っている。旧橋のような、大地を踏みしめる橋脚がない。橋脚のもつ圧倒的な安定感を失い、かわりに高い緊張感をつくっている。同じ亀島川筋の霊岸橋、日本橋川筋の茅場橋、新常盤橋、俎橋など1−スパンの橋に共通するイメージである。
1−スパンの橋は、橋の側からも川の側からも都合のいい形式である。橋の側からは、経済的メッリトが大きなことにつきる。人手をかけて川の中に構造物をつくるのは、非常に経費がかかる。川の側からは、洪水を効率的に流下させるため、川の中に構造物があっては困るのである。
橋を日常的に利用する人々、界隈に住む人々はどうであろうか。橋には、緊張よりも安定を求める人が多いのではないか。新しい高橋のデザインコンセプトにも、歴史性などの他に、安定性に係わるキーワードが幾つか設定されているものと思われる。
日本橋川橋梁群のもつ安定感をどのように保存し、または新たに創造するか、橋梁技術者と河川技術者に課せられた課題である。
- 橋梁形式 単純鋼床版箱桁橋
- 橋 長 34.70m
- 幅 員 23.80m
- 架設年次 昭和58年3月
- 建設機関 中央区
- 管理機関 中央区
- 最 寄 駅 地下鉄日比谷線八丁堀駅
JR京葉線八丁堀駅
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