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鎧   橋 (よろい ばし)

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yoroi bridge

  鎧橋は、中央区日本橋兜町と日本橋小網町との間で、中央区道を渡す橋である。

  ここに、平安の昔から「鎧の渡し」と呼ばれる渡船場がおかれていた。橋名は、これによっている。この橋の創架は、明治5年(1872年)11月であり、「明治事物起源」に次ぎの記述がある。
 「明治5年、三井、小野、島田の三名、自費をもって茅場町と小網町との間なる鎧の渡しを木橋に改め鎧橋とす」。この橋を架けた三名は、当時の豪商であり、現在の証券取引所の前身、通商司の政府御用達であった

  明治21年(1888年)に長31間・幅7間4尺のウィップルトラス橋に架替えられた。大正4年(1915年)7月、路面電車を通すため、中央と両側に3面のトラスを追加して拡幅した。

  昭和28年、このトラス橋は、老朽化したため撤去された。現在の橋は、撤去の4年後に架けられたものである。

  右岸側は、兜町である。写真の正面は、東京証券取引所。界隈は、大小さまざまな証券会社が立地する「株」のまちである。明治6年(1873年)、我が国最初の銀行である「第一国立銀行」がこの地に誕生している。

  この橋は、河川に設けた2基の橋脚の上に架渡されている。このため、アーチ橋には及ばないが、大地を踏まえた安定感を感じる。最近の川筋の桁橋、特に1−スパンの桁橋には無いイメージである。

  また、川筋の他の橋と比較して、橋面の位置が低い。橋を渡る時、水面を近くに感じる。高欄も川に向かって開放的な構造となっている。橋自体も、非常にスレンダーな形である。これらが全体として、鬱陶しい空間の中に軽快で開放的なイメージを造り、高架構造物の圧迫感を緩和しているように思える。
  • 橋梁形式 3径間連続鋼鈑桁橋
  • 橋  長   56.70m
  • 幅  員   19.00m
  • 架設年次   昭和32年7月
  • 建設機関   東京都
  • 管理機関   中央区
  • 最 寄 駅   地下鉄日比谷線/東西線茅場町駅           半蔵門線水天宮前駅