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清  洲  橋(きよす ばし)


  • 橋梁形式 3径間自碇鋼吊橋
  • 橋  長 186.22m
  • 幅  員 22.0m
  • 架設年次 昭和3年3月
  • 建設機関 復興局
  • 管理機関 東京都
  • 最 寄 駅 地下鉄新宿線浜町駅         半蔵門線水天宮前駅



隅田川大橋   新大橋     Map Page








ライン川に架かるケルン吊橋




タワーと橋灯

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  清洲橋は、中央区新川2丁目と江東区佐賀1丁目の間で都道474号「清洲橋通り」を渡す橋である。昭和3年3月の創架で、震災復興事業による新設橋である。橋名は、公募によるもので、両岸の深川清澄町と日本橋中洲町からきている。

 本橋は、永代橋と対比しつつ検討が進められ、ドイツのライン川に架かる、美橋で知られたケルン吊橋をモデルにした。本橋の計画について、次ぎの記録がある。(*)

「永代橋は隅田川河口の大橋、この橋が太古の恐竜のように、大川を爬行して渡るのに対して、その上流の清洲橋は優しい吊橋の姿を水に映し、そのよきコントラストが都市美に抑揚を与えるように計画された」

(*)「関東震災と隅田川の橋梁群」 前掲(「永代橋のProfile」参照)

  清洲橋は永代橋とともに、橋梁群の景観的クライマックスを創りだしている。さらには、隅田川両岸地域に散りばめられた、復興橋梁425橋を睥睨しているかのように思える。両橋は、技術的にも規模からも、要した経費からも、復興橋梁にかかわるデザインヒエラルキーの頂点にたっている。



アイバーとハンガー詳細




歩道部


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  清洲橋は、永代橋と同様に、地質条件、船運状況から中央径間を大きく取った。

  基礎工も、永代橋と同様に、深層基礎となるので、橋台、橋脚ともにニューマチックケーソン工法を採用した。

  地質条件および径間割から、連続補剛鈑桁付自碇吊橋を選定した。永代橋の上向きのアーチ曲線に対して、下向きのカテナリー曲線を持つ型式として、このコントラスト効果により両橋を相互に強調するものである。

 自碇式(水平反力を補剛桁にとらせる)により、水平反力に関して橋梁自身を基礎に対して独立した構造系とし、軟弱地盤へ適合させている。

  ケーブルには、デュコール鋼によるアイバーチエーンを用いて、チェーンの断面増を押さえ、優雅なカテナリー曲線を創出した。